子どもは大人から学ぶだけでなく、子ども同士で学びあうことがたくさんあります。
アメリカを代表する幼児教育学者リリアンG.カッツ博士は、40年以上にわたる幼児教育の研究で、
異年齢保育は、こどもの心と体の発達にとって魅力的な環境であると実証しており、それはアメリカ全土で認知されています。
異年齢保育の推奨
異年齢保育は面倒
異年齢保育は、長年推奨されているにも関わらず、十分普及していません。或いは、一日の保育時間の中で、ほんの僅かな時間しか異年齢の交流(縦割りクラス)がなかったりします。その理由は明らかです。
異年齢保育は、保育者にとって、同年齢保育以上に、負担が多いのです。
異年齢保育は、保育者にとって、とても面倒なのです。
異年齢保育には、個々への配慮、工夫が必要です。毎回の「遊び」や「生活」において細やかな配慮と工夫を続けることが求められます。アガペインターナショナルスクールの保育者は、面倒なことを、意気込んで取り組む人たちです。
しかし、日本の保育の実情となると、それどころではありません。保育士は全国で118万人以上いるにも関わらず、64%は保育士の仕事をしていません。また、保育士の離職率は10%以上。7年以上勤務する保育士は半分以下。理由の一つには、現場の忙しさが挙げられます。保育現場にいる保育士はとにかく忙しく、異年齢保育を導入する余裕などないのです。それでも保育所が足りず、待機児童が問題になっています。
異年齢保育の魅力
異年齢保育には、子ども同士の豊かな関わりがあり、
同年齢クラスの保育ではみられない子どもの様子や成長があります。
年上の子にとっての魅力
- 年下の子に対して優しく対応することを通して、自信につながる。
- 年下の子に対して思いやり、労り、手伝う、お世話をする、配慮する、見守ることが自然にできるようになる。
- 遊びや生活を教え伝承していく。教えることで遊びに広がりがでて、深められ創意工夫ができるようになる。(教えて学ぶ)
- 年上の子としての自覚が持てるようになる。意欲的に活動に取り組める。
年下の子にとっての魅力
- 年下の子どもは年上の子に対して憧れや目標を持ち真似をしようとする。(見て学ぶ)
- 大きくなりたい気持ちを持ち続け、自分がしてもらったように年下の子に接することができるようになる。
- 年上の子にサポートしてもらいできたことの喜びが意欲につながる。(やってみて学ぶ)
- 自立が早くなる。自立心が育つ。
保育者にとっての魅力
- 配慮や工夫が必要なため、個性や特徴をとらえようとするので、観察眼が育つ。
- こどもと一対一の信頼関係を築くことの重要性を認識するため、保育意識が高まる。
- こどもとの関係がより一層深まり、愛情が一層深まり、子どもは愛されていると実感して育つ。